白の色鉛筆

需要と供給が成り立っていない存在

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《見えない敵と戦うのこと》

 神の天敵と言われて、思い浮かぶものは三つある。
 一つは科学。奇跡という神秘を分解し、信仰を気休めに変える魔の技術だ。
 一つは異教。日本の神はそうでもないが、一神教の神様なんかは他の神様を認めはしない。
 そして最後は魔。妖怪、悪魔、幽霊。とかく、そういった類のものである。神様自体はそれほど敵視していないが、あちらは神のことをそれほど良くは思っていない。
 しかして、早苗の天敵はそのどれにも当てはまらなかった。
 鋼鉄製の身体。見るものを萎縮させる顔。
 塔のように屹然と伸ばされた背筋は、まるで自分が優位に立っているのを勝ち誇っているのかようだ。
 それでいて、下半身は広く人を受け入れるように大きく、そして頑丈である。
 もっと狭量であってくれれば、足を踏み入れることもないだろうに。
 早苗はため息をつき、天敵の顔を睨みつける。
 だが、いつまでもこうしているわけにはいかない。
 お風呂上がりの早苗の身体には、バスタオル一枚しか羽織られていなかった。
 このままでは風邪をひく。
 呼吸を整え、早苗は天敵の懐に飛び込んだ。
 目盛りが動き、非情なる宣告をその目にする。
「おー、太ったね」
「す、諏訪子様!?」
 早苗の後ろから覗き込むように、諏訪子が現れた。
「確か前の体重が××kgだから、2kg増えたのかな。いやあ、ごっつぁんです」
「なんで私の体重なんか知ってるんですか!」
 赤面しながら、手で目盛りを隠す。
 既に手遅れではあるが、混乱した早苗には関係ない。
「いいじゃない、いいじゃない。ちょっとぐらい太ってる方が、女の子は魅力的だって。デブ……じゃなくて早苗」
「一文字として合ってない間違いをどうもありがとうございます」
 謝罪こそ述べているものの、その顔は全く笑っていない。
「でも、そういう諏訪子様も危ないんじゃないですか。最近、食べては睡眠の繰り返しですし。人の事を笑われてる場合じゃないと思うんですけど?」
 早苗の指摘を、諏訪子は鼻で笑った。
「馬鹿だね。神様は太らないのさ」
「な、なんですって!? なんて、羨ましい……」
 頭を押さえ、壁にもたれかかる。
 一々カロリー計算をしないとケーキすら食べられない早苗にとって、それはあまりにも酷な情報だった。
 これが現人神と神様の違いか。
「残念だったね、早苗。見てみなさい。ほら、この通り……おおう」
 目盛りが刻むのは、明らかに増えてであろう諏訪子の体重。
 ショックでその場に崩れ落ちた諏訪子の背後から、神奈子の容赦ない一言が襲う。
「神だって太るわよ」
 地面に仰向けに倒れながら、諏訪子は言った。
「神は死んだ」
 そして、神奈子がつっこんだ。
「死んでるのはあなたの体重管理よ」


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  1. 2008/04/23(水) 00:13:11|
  2. 守矢のこと
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ノーマルシューター。でも神奈子様は苦手。
諏訪子様と小傘とお燐とお嬢様がいればそれで良い。

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